約束/
士狼(銀)
雨はいつだって突然に
感覚を刺激する
懐かしい音に
身動きが
――…取れなくなる
夕方の雨は
だめだ
カーテンレースを握りしめた
手の
震えが治まるまで
アスファルトを叩く雨の
軌跡を眺めていた
救急車のサイレンが拡散して
波紋が
共鳴する
てのひらの熱
夕焼けは眩しくて
約束が溶け始めたことを知る
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