約束/士狼(銀)
 
雨はいつだって突然に
感覚を刺激する

懐かしい音に
身動きが
――…取れなくなる
夕方の雨は
だめだ

カーテンレースを握りしめた
手の
震えが治まるまで
アスファルトを叩く雨の
軌跡を眺めていた
救急車のサイレンが拡散して
波紋が
共鳴する
てのひらの熱

夕焼けは眩しくて
約束が溶け始めたことを知る
   グループ"創書日和、過去。"
   Point(8)