創書日和「夜」 秋のはじまり/ゆうと
 

だれも信じない
だけど
ぼくのなかではそうなってる
だから
それでいいのだ
天気予報も占いも
ようは
気の持ちようなのだ
そう
言ってるそばから
雨が降り出す
ぼくは傘を持っていないから
とても身軽なので
走り出すことができる
羽ばたくことができる
だれもいないから
だれもみていないけれど
でもたしかに
ぼくの足は数センチ浮いている


情熱もなにもないけれど
感情と微熱だけはある
それくらい不自由であって
それくらい自由なのだ



   グループ"創書日和、過去。"
   Point(2)