創書日和「嘘」 海を見ていた午後 /逢坂桜
いくつもの嘘をついた
本当のことだけを言いたかったけれど、
言えなかったから、嘘ばかりになった
「どんなに優しくても、嘘は罪なんだよ」
「真実がつらくても、嘘を言う貴方も傷ついていたんだよ」
嘘は限りなく優しく、笑うことすらできた
けれど、ぬくもりは感じられず、涙を流していた
「真実から逃げずに、乗り越えることができれば、
貴方の罪は許されるんだよ」
晴れやかな日、澄んだ鐘の音を聴きながら、
もう会うことはない人と、海を見ていた
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