化身の化身  〜創書日和「紙」/白雨パル
 
 
 
プリンタから大仰なオノマトペとともに
吐きだされた紙は
わたしのこころの化身の化身


余白がもう白すぎて
わたしは震えてしまう 指先 くちびる


間のぬけた音がきかいてきで
出来上がったなまあたたかいそれは
とても陳腐でちんぷんかんぷんで
わたしは鵜呑みにしてしまう


「それは詩ではなーいと言うのなら
 わたくしはそれでも
 いっこうに構いませーんことよー」
などと言いながら
ぴらぴら遊んでいたから、そいつは怒ったのだろうか
わたしの人差し指をすうと切った


流れでる赤いわたしと痛みは
わたしのこころの化身の化身を汚しながら
すこしずつそれを詩へと近付けていった


ような気がした

痛い

 


   グループ"創書日和、過去。"
   Point(6)