創書日和「歌」 お憂偽うた/大村 浩一
を食われたひとと
命を食われたひとと
川のほとりに
たたずむ
(俯いて見せたってダメさ
僕の浅はかさはとうに見抜かれている)
(サッカーボールみたく
気楽に蹴られた頭)
黒い墓碑
の向こう岸へ続く
名前の行列
(いっそこのなかに
こっそり紛れ込んでみようか?)
僕は自分の軽薄さに耐えて
せめて諸国を漫遊しよう ※
地獄巡りのトンネルを抜ければ
弔いの灯明が夜空を覆う
あの夏
※岡野嘉樹「育てるちから」から部分引用
〜2007/3/29
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