創書日和「なみだ。」/
狠志
僕の頬を伝う、これは。
海の味に似てて。
僕の中にも海が広がってるのかな、なんて。
思ってしまって。
けれど、それじゃあまりにも広すぎて。
また、頬を伝う。
あんなにも広い世界に、
ぷかぷかと、ただ一人。
もしかしたら、その中で、深く。
深く沈んでて、もがいているのかも。
僕の頬を伝う。
それは、きっと。
涙を流しても気付かれない、海の涙。
ただただ、しょっぱい。
僕らの、なみだ。
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