創書日和「星」/虹村 凌
東急東横線菊名行の最終電車を逃して
ふて腐れてホームに座り込む
曲がった煙草を取り出して咥える
ジッポを探している間に
駅員に咥え煙草を取り上げられる
仕方無く切符を千切って駅を出た
ガソリンスタンド
ライブハウス
プラットホーム
に住みたい
ライオンの口からお湯が出てくる様な
ガソリンスタンドやライブハウス
プラットホームに住みたい
駅の周りで踊る若者
虚ろな目でそれらを眺めるホームレス
それをサングラス越に眺める
咥え煙草は警察官に取り上げられた
ジッポが見つからない
指紋を取られた
小さな氷の様な胸
白くて炎みたいな肌
光って輝く全身の産毛
あいつの上を滑り落ちていきたい
汗かローションかわからない様な
とても小さな胸や病的に白い肌
光り輝く産毛の上を滑りたい
流れ星が目の前を横切り
煙草を半分千切っていった
残った半分に火がついて
思わず苦笑う
ジッポは何処かに忘れたんだった
あいつは星になったんだった
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