創書日和「淡」/虹村 凌
うよ
月も太陽もきっと探さないでいてくれるから
ずっと北へ北へ
冷たい匂いをかぎに行こう
真夜中の匂いはきっと綺麗で
少し膝が笑っちゃうだろうけれど
あの苛々する街の匂いとはきっと違うから
そうだ
水筒には暖かい珈琲を入れていこう
ミルクと砂糖を溶かして
きっと僕らが降りる街は雨が降っているよ
駅の外は雨が降って
僕らはそこで二人ぼっち
淡い光を放つ夕立が
僕らを駅に二人ぼっち
ねぇ
僕はまだ眠れないでいるよ
君はまだ起きてるの?
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