創書日和「酒」/虹村 凌
破れぬ夢を引きずって
銀色の夜明けにたどり着いたら
大きな花火を打ち上げよう
ただ黙って抜け出した真夜中の後に
大きな花火を打ち上げよう
リタのダイナーはようやくシャッターを開けて
眠そうな顔の店員がテーブルを拭いている
50セントのジュークボックスでは
ストレイキャットが歌ってるよ
銀色の雲はまだ眠そうで
昼行灯
呼ぶ声が聞こえる
便所の100ワット
聞こえないふり
北極でゴキブリホイホイ
肩を掴まれて
真っ青な木枯らしに
疲れ果てた入道雲が蹴散らされるみたいに
生ぬるいアスファルトに横たわる
何時か忘れたけれど
聞こえていたアスファルトの鼓動
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