創書日和「卵」/ゆうと
ぼくのこころがたまごだとして
それをてのひらにのせているとする、
割れないように
慎重に
きいろのなかみを
落とさないように
やさしく
やさしく
―― やさしくなれるかな
ぼくのこころがたまごだとして
それをてのひらにのせているとする、
いますぐ殻を
突き破ってしまいたい
その衝動で
駆け抜けたい
―― ゆけるところまで
ぼくのこころがたまごだとして
それをてのひらにのせている と したら、
きいろのなかみは
なくさないよう
その衝動で
駆け抜けて
ぼくは
やさしくなりたいと
おもう
やさしくなろうと
おもうんだ
つつみこむ
やわらかく
あたたかい
てのひらで
うまれる
ちいさな
ひよこが
あたらしい
ぼくだ
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