創書日和「月」/虹村 凌
 
けなかった夜はないし
来なかった朝も無いんだけど
後悔した夜は沢山あるし
繰り返したくない夜も沢山ある
だからそんな夜達を積み重ねて
いつか朝を迎える事が出来るだろうか

薄暗い部屋の隅にもかすかに光が差し込む
昨日と変わらない筈の部屋が若干明るむ
あぁそうだ
暗闇とか恐怖とか
もうそんな話はしなくていいのか
そうだ
幾つもの下らない話をしよう
ツンデレの話とか
髪の短い女の子が好きだとか
胸の小さな女の子が好きだとか
一人で何でも出来るような女の子が好きだとか
そんな話をしようよ
明けない夜は無いらしいから
幾つかの夜を積み重ねて
いつか朝を迎えようよ
真っ青な空に白い月が見えるような
そんな朝を迎えようよ
   グループ"創書日和、過去。"
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