ビーグル/士狼(銀)
 

かみさま、
ぼくの手はどうしてこんなにも
醜いのですか
骨を辿る指先も
愛するための掌も
確認する手首すらも
きもちわるい
のに

桜が散ってしまって
ごめんね、ビーグル

きみはこんなにも純粋なままで
死んでゆくの
さよなら、ビーグル
きみは何も教えられないままで
ぼくが殺すの
ごめんね、ビーグル
さよなら、ビーグル
ごめんね。

かみさまかみさま、
ぼくの声を聞いてください
聞き流してくれて構わないから
かみさまかみさま、
ぼくはあなたを信じないけれど
かみさま、
神さま。

どうか、と
祈る心だけは嘘ではないから


ありがとう、
ほんとは名前で呼びたかった。


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