風の日/よしおかさくら
 
朝の街は風が強い
友は今日だけのことと笑ったが
夜明けを知らないその朝
やはり風は強いのではないか
夜の街も風が強い
髪が乱れされて舞い上がる

灯りが明るく 
またぼんやりと平然と雑踏を聞いている

わたしは必死だ
より黒い夜を眺め
見出そうとしている

天国と楽園は同じではない

湧き上がる光はなんだ
なんの高揚だ
なんの幸福感だ
人々の間をすり抜けて
歩く
飲み屋を出て家路に着くひとの笑顔
幸せそうだ
世界がこのようであればいいのに
神もそう願って人を作ったに違いない
天国と楽園は同じではないけれど
天国なら地上にもある
人々を見ながら

歩く
強くて暖かい 風だ
   グループ"創書日和、過去。"
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