創書日和【神】 川の子供の神様/大村 浩一
その川の子供の神様が
いつからそこに居たのかは
神様自身にも分かりません
気づいた時にはもうそこに居て
そのほかの子供の神様や
村の子供たちと楽しく遊んで暮していました
村の子供たちが夕方に疲れて家に帰り
今日のことを話そうとすると
いつも誰も知らない一人のことが思い出され
皆 不思議がりました
そのことはいつか言い伝えとなり
年寄りの口から子供たちへと
代を重ねながら教えられていきました
川の子供の神様は けれども
時々自分でも分からない力で
暴れたり乾いて死にかけたりしました
時々我知らぬうちに村の子供の一人を
自分の住む淵に引き込んだりもしました
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