記憶の断片小説続編・ロードムービー「卒業」/虹村 凌
が出来なかった。
先延ばしにされた、快楽の時間。待ち遠しい、笑み。
京王線の駅でイチャイチャとして、東京駅まで一緒に向かう。
改札を出る前に、俺は口付けをした気がする。
ねぇ、もう色々と覚えていないよ。どうだったっけね。
人間の記憶は適当だね。笑えるよ。
何時だったか、また俺が上京して病院に行った時の事。
帰りに友人宅に止まり、少し語って、眠りについた。
よく朝起きたら、ベッドにはエナジードリンクがあった。
布団の中から、友人はそれを指差し、親指を突きたてて、また眠りについた。
俺はそれを鞄に放り込んで、舞子の住むつつじヶ丘へ。
予定より、かなり早く着いてしまったので
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