記憶の断片小説・ロードムービー「卒業」/虹村 凌
ったり引っかけたり。素敵な空間だった。
庵は、背が高い癖に、少し異常なまでに細いヤツで、
毎年春の健康診断で、「栄養失調気味」と言われて傷ついているヤツだ。
別段、喰わない訳じゃない。飯は人並みに喰うし、甘いモノも好きだ。
きっと、庵が生きるために使うエネルギーが多い所為だろう…と俺は思う。
二人で少し喋っていると、嘉人が来た。
俺と庵の同級生だが、庵の方が付き合いが長い。俺はここ数ヶ月の付き合いでしかない。
しかし、趣味は合うようで、学校の授業中に年中喋っている仲間だ。
そんな訳で、3人でしばらくキャッキャ言って戯れていたところ、
誰が言い出したのか、吉祥寺で茶でも飲もうと言う事になった。
丁度、嘉人の彼女が来ると言う事で、俺たち三人も出かけたのである。
外は、相変わらずクソ暑い。
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