荒川洋治を読んでみる(六) 『高所の毬』/角田寿星
 
あ。となると、タイトルの「高所の毬」ってのは、地図をみる作者や、天山山脈の頂きから発せられたもの、と考えるのがよさそうです。んで、スリ鉢状の低地に転がる毬の大部分は、途中でこだまのように消えて無くなったり、盆地の上空を上滑りに通過していったりしたのかもしれないね。
でも、盆地の住人たちもまた、毬を手にしている。消えずに盆地に到達する毬もあるんだろうか。それとも、もともと身体の一部に毬を持っているんだろうか。

用語解説。

「愁いの飴」…冒頭の一部です。前詩の最終とつながってるんですね。「高地のアンソロジィ」から毬が転がってくるんだね、きっと。ころころ。

「故旧のこまもの」…故旧は
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