天使の救い/ajisai
かしら
そんなことを思い出していた
天使は一枚の白い羽を私の手に握らせた
それは手のひらで蒼白く光って水晶のペンダントに変わった
「お守りに、治療も大変でしょうけどきっと治ると
信じてちょうだい、これはあなたを守ってくれるわ」
そう告げると天使は月明かりの中を真っ直ぐ
月に向かって羽ばたいていった
私は水晶のペンダントを握りしめながら彼女を見送った
いつまでも彼女が見えなくなっても
月明かりを眺めて水晶を握っていると
心の中に温かい何かが広がるような気がした
私は翌日心療内科を訪ね、入院治療することになった
慣れな
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