五十音頭韻ポエムた〜と/佐々宝砂
[た]
谷あいの棚田に
焚き火して
鯛焼き食べながら
たまさかの煙草を楽しみながら
大義だなあと狸親父
タナバタさんの竹いるか?と
訊ねるがはやいか
竹林から
たっぷり竹をたずさえてくる
狸親父は
達者にして
短気である
立ち働き
絶え間なく立ち働き
耐え続け
谷あいの棚田にたたずめば
たくらみもたわむれも
ただたまゆら
鯛焼きたいらげて
狸親父は高いびきだ
[ち]
ちかごとぶみに誓ひしは
散りし君との誓ひなり
契れど因み千切られて
千入(ちしほ)に血塗る血の涙
知恵も力も小さくて
[次のページ]
前 次 グループ"五十音頭韻ポエム"
編 削 Point(4)