アルデバラン/
下門鮎子
ぼくはまた青い砂漠にすわって
アルデバランを見ていた。
遠い星は焦点からうまく逃れる
。
ぼくはあきらめて少し横を見る、すると
たちまち機嫌を直したアルデバランが
現れる。
子どもの頃から知っていることなのに、
何だかへんにうずうずしながら、
しかたなく焦点をずらし続けた。ああ、
言語のようだ。
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