右手と左手のための協奏曲/クリ
 
右手と左手のための協奏曲より


朝の上澄みですれ違う人たちは 夏の陽にさらされて空へと消えてゆき
夜の底の澱でつながる人たちは 死にも似た安寧と渾然とする
僕たちはどこにあるのだろうか 僕たちは動いては消えるのか留まっては残るのか
自分より尊かったものの残滓を 僕たちは
発酵させるのか 腐敗させるのか
僕たちはどこへと進みだすのだろう 暗闇の中で
一歩先は虚空かもしれない 一秒後には足下は崩壊するかもしれない

僕たちの屍が 後悔も名声も苦痛も快楽も憎しみも味わうすべを知らないならば
僕たちは 何をすべきか
いや 僕たちは何
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  グループ"右手と左手のための協奏曲"
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