オルフェの夏/石瀬琳々
 
衰えて炎もいつか褪せゆくか
    終(つい)の火を燃せオルフェの夏よ


竪琴の絃(いと)のふるえに夏は逝く
    全(また)き夜空に呼び声はるか


初風(はつかぜ)に見え隠れする白き指
    結びゆくのか夏の翳(かげ)りは
   グループ"薊道"
   Point(9)