三月うさぎ/
石瀬琳々
春の陽はひとりの心を置きざりに
雲の流れのさみしい空に
たわいないふとした言葉にはしゃぎ合う
風を摘む指花を折るゆび
春の日は濃いめのお茶にまっさらな
ミルクをこぼし光射す午後
はなしてよ離さないでよただ二人
さめない夢に恋におちても
春すべてやさしくなって赤い目に
三月うさぎ涙をながす
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