詩片H ?/土田
ずっと眠りつづけることのできないぼくら
もしも寝台が軋んでくれていたのなら
ぼくらはもっと人間だった
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鎖でつないだからいつもいっしょ
トイレもお風呂も寝るときもいっしょ
でもとってもはずかしいです
だからね
おしっこの音がはずかしいので
耳をちぎってしまいました
はだかを見られるのがはずかしいので
目をつぶしてしまいました
肌がふれあうのがはずかしいので
首をしめてしまいました
鎖でつないだからいつもいっしょ
とってもつめたくて気持ちいい
これならすぐに眠れると思ったのですが
ほたるのあかりに照らされるのがはずかしかったので
でもなにをなくせばいいのか
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