西行法師の如く the Buddhist said/AKINONA
願わくは花の下にて春死なん
そういったのは、誰だっけ?
私もあなたの言葉にならい
桜の花咲く木の下の
ベンチに長々と横たわって
桜の花を真下から
眺めてみることにしました
まだ白い夕方の月が
美しい花咲く枝の間から見え隠れし
赤く、そして藍色の夕方の光が
そんな花々を照らし、語りかけています
ああ、たしかに
このような美しい景色の中で
息絶えることができたなら
それはこの疲れた一生の全てを
あっという間に癒してくれるだろう
夕方六時の鐘がなり
思わず私は鞄の中に
入れっぱなしだったカメラをだして
腕を伸ばしてかまえます
けれど、流れる雲が遠ざかり
風が
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