ゆふぐれはくものはたてにものぞおもふ/AKINONA
夕暮れ時になると
ふと考えることがあります
群青色の空と
蓮華色の太陽が交差するのを眺め
吐き出す吐息は
苦しさというよりは寂寞感に似ています
もう少しで夜の帳の降ろされる空に
伸びていく飛行機雲よりも
遙か彼方にいる
ただひたすらに愛した人よ
手にすることの出来なかった愛情もいつかは
にわか雨の後の地面のように
もうじきひとりでに乾いていってしまうのでしょうか
望むがままに、そして望まれるがまま
存分に、そう、際限のないこの心を満たしてくれる程に
想いが通じあい、ただ無心に愛してくれた相手は
もう二度と現れることはないのではないか、と
不思議に、そして悲しく思うこともあるのですよ
大好きな和歌の、上の句の折り句です。
「夕ぐれは雲のはたてに物ぞ思ふ あまつそらなる人をこふとて(古今集・読み人知らず)」より。
ちなみに下の句はこちら。
http://po-m.com/forum/i_doc.php?did=86730
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