暗い日曜日/六崎杏介
 
香りと白い筆跡の岬を窓に残して。


「狂うと足ると 籐のタンスに花咲くルルド
   降る雨と繰るる土星のタンゴ 反語のフラッグ振るアルト」


背高草の疾走に依る幻想的な喧騒は天の頂点の葬列じみた歓声の
酸性の雨に完全に沈黙し、私の金木犀は散り北西からの塵が堆積し
理知の光が、近しい窓の女を刺し、カンザシが悲しみに落ちた路上の
歩調に合わせ膨張する宇宙、その夜光虫の散乱を観覧席で眺めるは
アベル、プロミネンスのみに扇子を扇ぎ、レンズで焼く睡蓮の図を
弾倉の12月で撃つ、乾燥した伴奏のノイズを椅子に塗装して
凍傷した下半身を拘束した、私は香草の半神的イメージを走らせ

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