神様の練乳/プル式
 

スプンを舐る神様のご機嫌を損ねないように
お祈りの言葉を唱えはじめる
ゆうくんいい子だから今日はもうごちそう様できるよね
苺さん今日はお出かけしちゃうんだって
今日しんちゃんやる日だよね
しかし神様は世界の終わりの様に
その濁りの無い瞳に大きな真珠を湛え始める

きりんさんの公園にみきちゃん来てるかもね

最後の祈りの言葉だった
祈りは神様の悲しみを和らげた
そしてまた神様が世界を思い出して
悲しくならないように玄関へ神様を誘(いざな)い
神様の冠をかぶせると異世界への扉を開けた

神様は苺のように輝く太陽に目を細めとても大人びて見える

溶け出した練乳の世界は渾然としながらも
熱い想いを持つ愛の女神に手を差し伸べて
神様の乗り物を背中からそっと手伝う
必死に進む神様の先には女神が手を振る
人目も気にせず愛し合う二人を見て私は思う

神様の住む世界はどうやら練乳の様に甘いのかも知れない。
   グループ"頭のなか"
   Point(3)