酸素不足/プル式
いつもそこにあった
それが当たり前だった
大切だって知っているのに
大切にしなきゃなんて
少しも考えなかった
いつも思わなかった
昨日まで何て事なかった
どうして気が付かなかったんだろう
ほんの数パーセントの酸素が
僕には必要だって言うのに
世界の空気が少し淀み始めて
鳥は空を飛ぶ事を辞めた
新しい朝を待ちながら
森は穏やかに眠りに着いた
僕は鳥の事を考える
青い空には何が有ったのだろう
鳥はどうしているのだろう
思い出ばかりが意識を捕らえる
そうして静かに
僕の呼吸が止まった
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