無益なリセット/ピッピ
 
くらいなら余裕の表情
水を掻きながら前へと進む
途中で足を掴まれる
冗談だと思ったけど そのまま進む
漸くプールの縁 右足首を引き上げる
そこには彼の足が絡まっていた



10

エンジンも鍵も掛けっ放し
アクセルを踏んだら走り出した
ドキドキしながら何処へ行こうか考えていた
高価そうなハンドバッグ
飲みかけのコーヒーはやっぱり微温かった
ナンバー2004 多分今年買った車だろう
窓を開けたら 凍てつく空気が見る間に車内を満たした
気付いたら吉野家に来ていた
今日最後の客として丁重に迎えられ
並に卵で夜食を終え徒歩の家路
星が妙に綺麗で逃げるように走った
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