くぐもる声が届くのは、くもりガラスのこちら側/ピッピ
 
れてぼろぼろになっていく

もうあの頃に手繰った言葉も
あたしの足元に置きざりだ

詩は経験だと
それは偉い人が世界の端っこで呟いた
沢山の犠牲を積み上げたあたしの経験は
今も言葉にできるのだろうか


(括弧書き された ものの かたわら らら ら…
 語ること の できる 言葉は 散在する るる る…
 これを 誰かに 放ることで で で dd…
 会話は 鮮やかな 吐息を 立てて 勝手に 発進する なんて
 簡単な 構造 ああ ぁぁ…
 カ行は こんなにも こぼれ れ れれ
 薬指から あふれ 返っているのに にに
 答えは 見付からない まま ま ま ま…
 孤独な 心は 簡単な 言葉にも なれず/に)


遠い空の向こうあたしが投げかけた言葉は
エコーのかたまり
ずっと誰にも聴こえないでいるたましいみたいな
エコーのかたまり

残り5秒
どの道を選んでも
曇る空に届くあたしの羽は
開かなかった
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