水色の贄/佐々宝砂
水色のものしか口にしては駄目よ と
お姉さまは仰有いました
緑ではいけませんの と訊ねますと
緑は駄目 薄紫なら構いません と
お姉さまはお笑いになりました
わたくしは紫色のキャンディを食べ
ほのかに青い曹達水を飲みました
お姉さまはしとやかな指先で
透きとおるビィ玉をひとつお取りになり
淡紫の香水をほんの少しお飲みになりました
けれど正直なところ
わたくしはおなかが空いて堪らないのでした
それでわたくしは空色の甘いゼリィを食べ
ワイン色の氷果子を食べ
真っ青なドロップを舐めたのです
お姉さまは哀しげに御覧になりました
わ
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