いばら/暗闇れもん
っと空を見ていました
誰かがこの部屋のドアを叩いてくれたら
もし誰かがこの私にだけ笑顔を見せてくれたら
そう
眠り姫が思ったであろう願いを青い空に向けて
いばらの世界で
早く眠り、何も考えずに仕事をこなしている時や
おやすみをメールで交わすことだけが救い
誰にもいばらに見えない世界で
独りでいる苦しみがどれほどか分からないでしょう
仕方の無いこと
耐えることは怒りや悲しみよりもずっと苦しいこと
この世に意識があると苦しいから
紫の小瓶を毒だと知りながら飲み干し、眠りたいのです
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