Cry For The Moon 4「紹介、あるいは正当な労働報酬を!」/佐々宝砂
 
私はいちおうセミプロ書評屋である。書評屋の仕事は、おえらい批評家の仕事と大きく違う。書評屋というより、紹介屋と言うほうが近い。紹介屋は、だいたいにおいて「この本は面白いんだから読め!」「この本はくだらんから買うな!」などの簡単な評価や、「この本はコレコレこーゆー内容です」などの紹介を仕事にしている。微々たるものだが金もらって書くので、仕事であることは間違いない。そして仕事であるからにはきっちりこなさなければならない。文字数厳守、〆切厳守。不快な表現や難しすぎる言葉は使わないこと。もちろん差別用語をつかうなんて論外。筆者に無断の直しも覚悟。あるていど無理な要望を出されてもできる限り対応。それが仕事と
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   グループ"Cry For The Moon(批評論)"
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