近代詩再読 立原道造/岡部淳太郎
 
集だった。詩人自身が自らの詩の特質に気づいて収録篇数を決めたのかもしれないというのは、かなりうがった見方だろう。
 さて、立原道造の詩は抒情詩である。それはもう、本当に折り目正しい抒情詩という感じがする。萩原朔太郎のように病的なところはほとんど窺えない。だが、向日的ではあるが、あまりにも線が細すぎる感じがする。古き良き青春の抒情詩。しかも、わずか二十四歳で夭折している。一般の人が詩に対して抱くある種のイメージを形作った詩人のうちのひとりなのかもしれない。
 僕は普段はレトリックを駆使した複雑な表情を持った詩の方を好んで読むのだが、時にこのようなタイプの抒情詩を無性に欲してしまうことがある。線が
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