幽霊のひもの/岡部淳太郎
 
たところから、こんにちは
と声が聞こえてきたので、さらに
仰天して腰をぬかして座りこんで
しまいました。その白くて薄っぺ
らいものはさらにつづけて、こん
なことを言いました。私は幽霊だ
よ。驚かせてごめんよ。その声は
小さいお母さんのような女の人の

               ような声で、目も口も何もなくて
               ぜんぶまっ白なふとんみたいなも
               のなのに、なぜかその布のねじれ
               たところから、声が聞こえてくる
               のです。君はあの学校の逆上がり
       
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