エスパーと雨/nm6
してしまおうとしては、切れ端に、文字。読めないけれどつよく見つめて、その奥の、ゆかしい側だけを切り取る。そうしてそれは灼きついて、また次の予感になっていく。そうやって、離れなくなる。
ことばは、足りているか?
ことばは、足りているのか?
「ぼくら、ぼくら」と話しかけてハロー・グッバイ。
ハロー。そう、ハロー。
すかさずグッバイ。
黙ってしまおう。
あたらしい。あたらしいね。
そして、跡。
この街に雨が降るときだけ、少しだけ考えてしまうけれど。
ぼくらはやさしく、嘘のようにやさしく、諦めればいい。
分かり合えないのは、同じだ。
前 次 グループ"自薦詩集"
編 削 Point(14)