目を閉じる 7篇/nm6
 
楽が聴こえるような鳥が鳴く。このくらやみが夜か体か、このあかるみが昼か空気か、ぼくはどちらでもいいし、いざとなればどこへでも行けばいい。


5.
うつくしい人はみなまつげが長いので、ぼくは少々たじろいでしまう。目を閉じているぼくを、誰がみているか。つむじの先から勘をとがらせて、できる限りうつくしくいたいと思う。


6.
つい忘れてしまうのは、ぼくが風邪をひいているということだ。ぼくの体は、ぼくを守ろうと前衛をしている。きみはこれからのぼくの戦いに、果たしてついてこれるだろうか。


7.
ぼくはいつしか眠ってしまう。きみのくらやみもいつしか朝を迎える。その瞬間をどうにもつかまえられないのは、ぼくがいつも目を開いていられないからかもしれない。


   グループ"自薦詩集"
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