雪眠る/モリマサ公
しながら
終電ぎりぎりまで日本酒をちびちびやって
「死んでるみたいに無言なおやじ」にからんでやった
おやじの横顔は誰にも似てなかったし
これからもずっと誰のものでもなかった
気楽なもんだよポエムなんてさ
ひっく
空になったグラスを形だけあおって
おやじは前方を睨みつけてこういった
ひっく
今夜の月はすげえぞう
おい、
エスカレーターを駆け上がって
最終の扉が閉じる
常温のつりかわにぶらさがる
まぶたのうらがわに
うっすらとしろいしみがにじむ
運ばれていく
2006年2月22日 ひつじ座
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