偏食 三/落合朱美
 
3匹目の獏は道端で
へたりこんでるところを拾った
小さな獏は虚弱体質で
夢はもちろん秘密も嘘も受け付けず
今にも消え入りそうに震えている

私は必死で噂とか言い訳とか
いろいろ持ち帰ってみるのだけど
小さな獏は食べなくて
どんどん弱っていくようで
もうこの子はダメかもしれないと
思わず深いため息をついた

とその時
小さな獏は遠慮がちに
そのため息をたぐりよせ
目を伏せて申し訳なさそうに
かじりはじめた

そうか
おまえはため息が好きなのね
と安堵のため息をつけば
小さな獏はまたそれ
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