無題/---
雨が降ると配色が悪くなる
そこから世界はぐずり始める
平行四辺形が歪んだ正方形だとするならば
俺はそれと同じ比率でずれていったのだと思うよ
行楽シーズンにどこへも行けなかった家庭の子供のように
休みあけの作文で思い出を書かされる酷(そういう気分あるだろ?)
いひひ、と笑って悲しみを喰いちぎる
彼の憧れ、彼の愛
なにも書かずにいればよいものを
彼の家に一度だけ泊まりにいったことがあるんだ
彼の母親は彼を背中で愛していた
デパートの屋上でクリームソーダを飲みたい
もしもそのクリームソーダにさくらんぼが付いていなければ
彼は絶望で死ぬ
あの小さな赤は憧れの象徴だし
彼のたった一つの神だったから
彼の
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