ラランキティ/和泉 誠
ベットに帰ってくる5歩手前
偶然ラランキティに出会った
僕を見つけると満面の笑み
「いたずらしましょ」
「今から?だめだよ
それに僕はいたずらなんかできない」
「いいから、ついてきて」
ラランキティに手を引かれ
僕らは朝焼け線の下り電車に
そうだ僕は切符を持っていない
「切符はどうするのさ」
「気にしないの
戻ってから一生懸命働けばいいわ」
親のいない駅、親のいない駅
ザラザラするアナウンス放送
ラランキティは立ち上がる
「ラランキティ、やっぱりまずいよ
いたずらなんて」
「なあに?私の言う事が聞けないの?」
ラランキティはじっと
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