夏への自由/塔野夏子
 
ふたたび
夏への自由が
窓辺で翼をひろげはじめた

  欲しいのは何
  疾走感
  浮遊感

誘われ
委ねゆこう
痛みの暗い罅を
抱いたままでも

夏への自由が
窓辺で白銀の翼をひろげてゆく
虹を滴らせながら

  疾走感
  浮遊感
  お望みのままに

ふたたび
ひらかれた瞳で
ふたたび
繰りひろげられる景色の中へ

誘われ
委ねゆくよ
痛みの暗い罅が
なおも深く 疼いたとしても



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