星になる方法/角田寿星
線になってどんどん幅をひろげて
雨の垂幕を俺たちはくぐり抜けていく
しろい昼 くろい夜
ページをめくるたんびに
回転するドラム罐の中で俺は目をつむって
肩があらぬ方向に曲がってはまた戻る
ドラム罐転がすふりをして あんちゃん
俺たちきっと
地球を転がしてんだよね
(一九九九年二月十四日、惑星探査船ボイジャー1号は、
地球から四十億マイルの地点で、草原で少女が微笑む
ように振りかえり、彼女の母星をみつめ、最後から二
番めの任務を遂行した。
地球を発ってから、すでに十三年が経過していた。
彼女のフレームに映るのは、寄り添うような光の粒。
太陽とその惑星たち
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