影踏み/かぜきり
 
休み時間
三階より
校庭を望と見降ろす

皆が遊んでいる
影を追い
影を踏まんと鬼ごっこ

踏まれてなるかの合唱に
声を違えるものありて
自が影をこっそりと
他が影に重ねて隠し
手をたずさえてこっちこっちと
やっている


望、と観ている 苦笑を交えて
ここは三階
休み時間はまだ半ば

皆の厳しさを望と視ている
気がついていないのではなく
気がついているのではなく

影を預ける逃亡者
幾たび影を踏まれても
隠しているから大丈夫
他の子よりも数多に踏まれて
まだまだいけると逃げ惑う


空が飽きて終わるまで
終わらぬ影の逃亡を
皆の優しさにそっと触れながら
望、とのんびり雲とみていた
   グループ"定点観憶測「驕り」"
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