宮沢賢治メモ3?「答える」という在り方/石川和広
「森のゲリラ宮沢賢治」という本の中で、西成彦は、宮沢賢治の創作スタンスとして「注文」を受けると言う在り方が「キーワード」だと述べている。
前回、井上陽水の「ワカンナイ」でも、「雨ニモマケズ」の「心配するな」という賢治の答え方への違和を取り上げた。何でも自分の位置から注文に「答える」というあり方の問題。
ネットでも、答えのない呻きや問いがある。そうしたことに対して自分のことを自分で考えてもらう言葉の隙間がなければ、相手の「考える時間」を奪ってしまう。「答え」を与えてしまう。日常生活にもよくありがちなことだと思う。
賢治は鋭敏だったので、「答えたい」という気持ちが強すぎただろう。
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