そっくりな/アンテ
 

いれものが
ふたつありました
ふたごのようにそっくりでした
どろみずをひとばんためておくと
いっぽうはどくみずに
もういっぽうはのみみずになりました
のみみずは
ひとびとののどをうるおし
どくみずは
ひがわりのとうばんが
やまのむこうまではこんですてました
みずをためてみなければ
どちらがのみみずになるのか
わからなかったので
いれもののかたほうをすてるわけにもいかず
どくみずだけが
せっせとすてられて
どこかへながれていきました
ときどきは
ひとびとはつどい
ほかにのみみずをえるてだてがないか
はなしあいました
けれどよいちえはうかばず
かならず
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