ろくでもないもの/アンテ
いちばんたいせつなものを
あぱーとのうえから
なげすてた
こなごなになって
あかいものがとびちった
なみだがだくだくこぼれおちて
でも
かぜにあおられて
じめんまではとどかなかった
ひとつしたのかいにおりると
なみだがぼろぼろ
こぼれおちて
でもやっぱり
じめんまではとどかなかった
またひとつ
したのかいにおりても
やっぱりだめで
というぐあいに
ひとつずつかいをおりるたび
じめんがちかづいたけれど
そのぶんだけ
なみだはへっていった
きがつくと
もうつぎのかいはなくて
ひろがったあかいもののにおいが
てつっぽくて
なみだはもういってきもでな
[次のページ]
前 次 グループ"あいまいなきもち"
編 削 Point(4)