ふり/アンテ
 

いろんなふりをしすぎて
なんだか
わけがわからなくなって
いしがきの
はしっこにすわって
くもをながめた
ためいきをつくと
くうきのかたまりがひとつ
こぼれおちた
それはうすももいろで
てのひらでころがしたり
ゆびではじくたび
ぷるぷるかたちがかわった
きょうは
なんてよべばいいのかな
こえがしたほうをみると
あのひとがいて
まぶしそうにめをほそめた
へんじのかわりに
くうきのかたまりをなげつけると
ぺしょっと
あのひとはぜんしんももいろになった
いしだたみのろじに
たちすくんだすがたがおかしくて
わらうと
いくつもいくつも
くうきのかたまりがこぼれおちた
いちもくさんに
さかみちをころがっていった



                          「ふ」
                     あいまいなきもち


   グループ"あいまいなきもち"
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