まっすぐな/アンテ
まっすぐなかぜに
ぐうぜんでくわした
おもわずとびのると
いえやきぎにぶつかりながら
まっすぐなかぜは
ものすごいいきおいで
まちをつきぬけた
ひっしにしがみついたまま
ともだちとすれちがうたび
さけんでみたけれど
こえはとどかなかった
こうさてんをぬけ
びるをかすめ
まっすぐにながれるけしきが
とつぜんとだえて
かぜはまちをぬけた
とおくまで
もりややまがつづいていた
ふいに
よぶこえが
きこえたきがして
きがつくと
てをはなしていて
ふわりとういたあと
おもいきりじめんにたたきつけられた
それでもなんとか
みをおこすと
まっすぐなかぜは
もうどこにもみえなかった
とおいかなたに
すぎさっていた
「ま」
あいまいなきもち
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